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Side遥 遥「………………ほら、ティッシュ ここに吐いて」 数枚ティッシュを抜き取り、薫の口に当てる 精液の不味さに驚いて飲み込むことができなかった彼に苦笑が漏れる まぁ、想像できてたけど……………… ティッシュを口に当てて、早く吐き出せ、と言っているのに、ブンブンと横に首を振り一向に吐き出そうとしない彼 そんな無理をしている彼の姿にキュンっと胸がたかなり、同時に何も出来ない自分にイライラして、ティッシュを薫にあずけ、急いで下に降りて飲み物を取りに行く 遥「え〜………………っと、薫、なに好きだっけ」 そういえば、薫の好きな飲み物聞いたことないな〜 なんて呑気に思いながら、とりあえずオレンジジュースとカルピスを掴んで急いで部屋に戻った 遥「………………え?どうしたの…………」 部屋に戻ると、ボロボロと号泣している薫がいた 彼が僕を潤んだ瞳で捉えると、モゴモゴと口を動かしなにかを訴える 遥「……………………うん、必死なのはわかったから とりあえず、口閉じて…………」 口にものが入ってなくて、喋れないのはわかる……………… けど……それだけは勘弁して欲しい………… 自分の吐き出したものが薫の口の中いっぱいに広がっていて…………薫が口パクする度に、その白濁とした池から赤い舌が浮いたり沈んだりして………………とても卑猥な光景だった 遥「あ゛ー、とりあえず、カルピスとオレンジジュース、どっちがいい?」 そう聞くと、彼はカルピスを指さした それをコップに移し彼に差し出す ぺこりと僕にお辞儀をすると、コクコクと一生懸命それを飲み込む彼 ………………うん、これ僕悪くない………… 彼が飲んでいるそれが、さっき口から見えたそれと同じ色で…………一生懸命精液を飲んでいるように見えたのは………………僕だけじゃないはず……………………と信じたい

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