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Side晴也 「え、えっと…………鈴様…………?」 「子供?はぁ?なにいってんの?」 ひぃ…………なにを間違えたかはわかんないけど、間違えたことだけは確か!! 今まで見たことないくらいの形相で俺をにらみつけてくる彼に、恐怖で震えてしまう 彼は震えている僕を見下ろし、はぁ……と大きくため息をつくとソファに正座させられた 「で?俺が怒ってる理由わかった?」 「あ、こ、子供ができたのに……… 抱きつこうとしたり、危ないことしたから……?」 「んなわけないでしょばか」 俺は考えていた意見を口にすると、ズバッと切り捨てられてしまった ……さてこまった……………… もう既にわからなくなった 他には……他には…………………… とりあえず、思いついたものを次々と挙げていく 「俺に愛想つかした……とか」 「ない、けど愛想つかしそう」 「うぅ…………あ、俺が臭いとか!?」 「ない、いい匂い……だと思う…………」 「あ、え、ありがと………………」 「だあぁ!何もかも違う!! ほんとにわかんないの!?」 間違えすぎたのか…………とうとうキレだした鈴 えぇ…………わかんないよ……………… 鈴は、腹が立ちすぎたのか、ポロポロと涙までこぼし始めた 「え、ぇえぇっ、鈴ご、ごめんん」 「ばかっ!晴也のばかぁあ!」 わぁぁん!と大声で泣き出してしまい、どうすればいいか分からなくなる こんなに泣いた鈴は、発情期以来で どう対応していいかわからない それにいま、俺には接触禁止命令がでている 鈴の横であわあわとしていると ついにブチ切れた鈴 俺の頬にバチーン!とビンタすると 「もういい!晴也なんて、大嫌い!」 「だ、大嫌い………………」 そういうと、バターン!と勢いよく自室の扉を閉め、閉じこもってしまった だ、大嫌い…………だと…………? さぁ……と血の気が引く き、嫌われた…………鈴に………… 今までにないくらいズキズキと胸が痛む 胸のあたりをギュッと掴み、溢れてきた涙をギリギリのところで抑える ダメだ…………鈴はもっと傷ついたんだ………… 俺に泣く権利なんてない……………… …………………けど………………大嫌いだけは……言われたくなかったな…………………… 溢れそうになる涙を堪えられずに、自室に逃げ込む バタンッ!と扉を勢いよく閉めると 背中を扉にあずけ、えぐえぐと泣く 「………………っくそ……グズッ…………ふぅ……」 俺はこんなに泣き虫だったか…………とショックを受ける …………しばらく泣き、心が落ち着いたところで冷静に物事を捉える 泣いてばかりじゃダメだ………… けれど……どうすればいいか分からない……………… こんな時は………………あいつに頼むか………… いつも恋愛ごとになると、俺をこっぴどく叱る友人に電話をかけた

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