52 / 62

Side鈴 「…………………………」 ちゅんちゅん……と鳴く雀の声に目が覚める 窓から零れている光が眩しくて、うっとおしくなってしまい反対側を向こうと寝返りを打つ するとなぜか目の前に硬いなにかが当たる まだ眠たい頭の中で一生懸命それが何なのかを分析する………… するすると撫でれば、少し暖かい人肌のような感触 ばしばしと叩けば小さく唸るその塊 そのまま楽しくなり、ばしばしと叩き続けると、モゾモゾとその塊が俺の手から逃げるように俺の反対側に逃げようとした…………… 「………………ってぇ!」 あ、塊が逃げた…………と気づいた瞬間に聞こえてきたのは斜め下から聞こえる、ゴン!っという鈍い音+不機嫌そうな、かすれた惚れ惚れする声だった そのすごい音にまだ瞼が開ききらない目を一生懸命開く すると目の前には、頭をさすり床から俺をにらみつけてくる晴也だった 「いてぇよ……鈴」 「え?なにが?」 「………………………………いや、なんでもない」 たっぷり間が空いたあとに聞こえてきた返事は呆れ半分、怒り半分だと思う 多分、俺のせいで自分が落ちたんだ、と思ってると思う だって……すごい顔してるもん ………………なんていうか…………すっごく不細工…… それだけ痛かったってことなのだろう ………………まぁ、痛そうにしてるし………… ……今回はこれで許そうかな……………… 痛そうにしてるし、俺の痛みは十分に味わっただろう、それに………………もう家でてかれたくないし………… いや、許そうかな〜って思った理由のほとんどは痛そうにしてたからだぞ? 別に…………寂しかったからじゃねぇし…………………… と、誰に呟いているのかわからない独り言を自分の心に言い聞かせると、1人で満足して今までの怒りを静かに収めた……………… そんな俺の事を晴也はじぃ……としばらく睨み続けていた

ともだちにシェアしよう!