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心の声 ver晴也

Side晴也 あの喧嘩の件から数日がたった やっぱり怒っていたのは俺ががっつきすぎたからだった もうしばらく手は出さないから!という約束のもと、ハグやキスをすることの許しを貰った 正直、ハグやキスだけでは物足りないと思うが、またがっつきすぎてあの生活に逆戻りは嫌だ だから、最近ではハグやキスもしなくなった してしまったら最後、我慢ができないと思うから…………………… ピンポーン…… 「はーい!」 「鈴、俺出るよ」 「ほんと?お願い」 今洗濯中の鈴に変わり、玄関に向かう ガチャ……と扉を開けると目の前にいたのは宅配の兄ちゃんだった 「清水晴也さんのお宅でよろしいですか?」 「はい、そうです」 「お届けものです ハンコとサインお願いします!」 「どうも〜」 宅配の兄ちゃんから荷物を受け取り、サイン、ハンコをする どうも〜といって去っていく後ろ姿を横目に見ながら、荷物の確認をする (あぁ、この前頼んだカバンか もうひとつは……なんだこれ…………) ひとつの荷物は頼んだ覚えがあるのだが、もうひとつは身に覚えがない 鈴が頼んだのか?とも考えたが、名前は“清水晴也”となっている 嫌な予感がしたので、自分の部屋で開けることにした 自分の部屋に入り、小さな小包を開けると中から出てきたのはピアスだった (ピアスなんて頼んでねぇぞ…………) 不審に思いながら箱を閉じようとしたら、中から小さな紙がするりと落ちてきた 不審に思い、紙を読む 「人の心が読めるピアス? 意味わかんねぇし……………… ………………………………」 その気味悪いキャッチネームに蓋を閉じ、返品しようとも思った だが、閉じる前に思いついたことがある (…………いやまてよ、もしこれが本当なら…… ……鈴の心がわかるってことだよな…………) 鈴の気持ちがわからず、この前怒られたばかりの俺は 試すだけだから…………と心の中で鈴に言い訳をしながら、みんなでお揃いでつけているピアスを外し、心の読めるピアスを付けた 心ホントに読めるかな…………とどこかでワクワクしながら、リビングへ向かった

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