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〃
Side鈴
チュンチュン………………
「んっ…………朝?…………」
小鳥の囀 りで目を覚ますとその光から逃げるように背を向ける
さっきまで激しく揺すられた腰は鈍く痛みを訴えていて今日一日は立ち上がることは出来そうにない
痛んだ体を助けてもらおうと思い、隣にいたはずの存在を探してシーツの中を探るが……そこにはあたたかい温もりだけが残っていた
「ばかはるや………………」
小さくそうつぶやくと、いない温もりを憎んで枕をポスポスと叩く
すると手になにかピンのようなものが刺さった
「…………っいった!
なにこれ…………ピアス?」
寝起きでしょぼしょぼする目を一生懸命開けて刺さった存在を見ると変わった色のしたピアスだった
青と緑と黄色が混ざったような色のそのピアス
……変な色…………とそのピアスをサイドテーブルに置こうとしたのだが………………
ふとそのテーブルに置かれた紙が目に入った
「何この紙………………
『このピアスで気になるあの人の心の中を覗いて見ませんか』
……………………?
これのこと?ふーん…………」
その紙に興味をひかれ、俺はお揃いのみんなでつけているピアスを外すとそこに変な色のピアスをはめた
このピアスに若干の期待を寄せながら、掠 れた声で、俺を歩けない体にした恋人の名前を呼ぶ
すると慌てた様子で駆けつけたその人……
そんな愛しい恋人に俺はニタリと意味深に微笑んだのだった…………………………
心の声Side晴也
END
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