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合コン1
「かなめちゃん、ひかるん、なんでそんな隅っこで飲んでるの?」
「あ?」
「え?」
合コンに誘われて来たものの、好みの女の子がいるでもなく。
同じように「当たりはないなぁ。」と呟く光と一緒にちびちびと飲んでいれば、ほろ酔いぎみの千石がジョッキ片手にすり寄ってきた。
「別に、隅っこで飲んでるつもりは無い。」
「人数合わせで呼ばれただけだしねぇ。要と飲んだら帰ろっかなって思ってるよ~」
「えー、女の子向こうでヒソヒソ話してるよ~。お前らあやしいって。」
「「何が?」」
声が被る。
その様子に「仲良しだねぇ」とケラケラと笑われた。
あやしいって言われても、普通に飲んでるだけなんだが。
「だってさぁ、二人さっきから顔つき合わせちゃクスクス笑って。見てるこっちがちょっと照れちゃう距離よ?(/-\*)」
「あ?こんなん普通の距離だろ。」
「だよねぇ。」
俺の言葉にウンウンと頷くと、光は「これくらい近付いたら照れて良いよ。」と千石にぐいっと顔を寄せた。
途端に周りから上がる短い悲鳴が耳に刺さる。
「んなな、なんて距離よ!(*/□\*)」
「吐息が掛かる距離?でも千石相手にドキドキしないしなぁ。」
「光、周りが煩いから止めとけ。」
「え?あぁ、ほんとだね。」
「し、心臓に悪いから、いきなりは止めて(*/□\*)」
「「いきなりじゃなきゃ良いのかww」」
また被る声。
光と二人でゲラゲラ笑っていれば、そこにそっと二人の女の子が近づいてきた。
「あの、良かったら連絡先交換しない?」
「…別にいーけど…」
「えっと、私も!」
「あ?」
「二人ばっかりズルい!私も!」
「………」
いつの間にか女の子達に囲まれ、それぞれの香水の匂いに思わず眉が寄る。
めんどくせぇな…無視して帰るか?
そこまで考えたとき、横から伸びてきた手に顔を捕まれた。
「んー…」
「!!」
「きゃ…!」
なんだこの女…酔ってんのか?
視界に映るのは長い前髪と伏せられた瞼、そして作られた睫毛。
唇に触れる柔らかい感触。
「ち、ちょっと離れなさいって!」
顔を赤らめながら止めようとする女の子達を無視して、その酔っぱらいはグイグイと唇を押し付けてくる。
思わぬ展開に固まる…が、俺だって健全男子。
仕掛けられれば返してしまう。
軽くチュッと唇を吸い返せばピクッと細い肩が震える。
「ん…はい、おしまい。離れてくれる?」
そう言って軽く頭を撫でれば、ポーッとしていた女の子はフニャッと笑いその場にコテンと倒れて眠ってしまった。
酔うと『キス魔&寝落ち』する子ってリアルでいるんだな。
周りのざわめきを他所にそんなことを考えていれば…
バシッ!
「ってぇな!何しやがる!」
光のでかい手に頭を叩かれたー。
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