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游移不定→sideS

なんとなく握り締めていた携帯がブルッと震えて、びくりとして画面をみる。 アプリの通知は富田君からだった。この2日間なにも連絡がなくて、ようやく飽きたのかなと思い始めていた。 なんだか、俺の身体もおかしくなっていて、たった2日空いただけで、頭の中はやばいくらい抱かれたいとかアホみたいに思っていた。 ホントに発情期のメスだよねえ。 メスにするとか言われて、ホントにそうなっちまってるなんて、笑えねえ。 はやいとこやめないと、ちんこなしで生きていかれなくなりそう。 富田君が飽きたら、俺なんか需要とかねえから我慢して生きるしかない。 苦しいのは好きじゃない。辛いのは嫌いだし趣味じゃあない。 きっと飽きたから、これきり終わりだとの連絡だろうな思い、早く開きたい気持ちと、開きたくない気持ちには揺れる。 恐る恐るアプリを開くと、ショッピングモールまでこいという誘いだった。 ホッとすると同時に、身体がそれだけで熱くなるとか、マジで重症だ。 ストックホルム症候群ってやつかもしれないな。 断るなんて考えつかずに、俺は、すぐに分かったと返す。 家に帰ってシャワーを浴びて準備とかした後に、買ったばかりで1番お気に入りの格好をして、家を出た。 なんだかんだオシャレまでして、浮かれているような俺の行動が自分でも全くわからない。 ショッピングモールの入口までいくと、制服を着た富田君が見えたが、西高のヤツら5人くらいに絡まれているようだった。 まあ、富田君なら余裕で大丈夫だろうけどな。 見てりゃいいんだけど、なんだか、傍観者にはなれない。 「…………邪魔だよ。ここは買い物すっとこで、喧嘩するとこじゃないよ」 富田君の背後から狙っている奴の襟を掴んで、ヒョイっと後ろに投げ捨てる。 「誰だ?!は?!なんだよ、このジュノンボーイ!」 「シャバぞーが出てくるとこちげーんだよ」 わ、ジュノンボーイとか、褒められた。それにしても、シャバぞーとか今どき使う人いるんだな。 スゲー昔の言葉だよね。 笑いながら俺は、富田君の横にいる奴を面倒になってポイポイ投げる。 「ジュノンボーイとか、やっばいねー。俺は、東高の真壁士龍だよ。5人まとめてきちゃってもいいよ」 掴んだ相手に、頭突きを食らわせておいて、富田君を見ると、余計なことすんなとばかりのイラついた顔で睨まれる。 「ち、東高の真壁かよ!やべえ、4頭の2頭が揃ったらコッチが不利だ、退散すっぞ」 5人はフラフラになりながら、逃げていく。 「悪い。…………思わず手をだしちゃった」 「着替えてきたのに、服、汚れんだろ?…………見てりゃ良かったのに…………よぉ。わざわざ着替えてきたのかよ」 イライラした顔の割にはさほど怒られず、ほっとした。 「制服だと絡まれるし。私服だと、俺、ジュノンボーイだからさ、ヤンキーに気づかれないから」 「自分で言うなよ…………。まあ、私服のがカッコイイのは確かだけど…………」 うわ、富田君が俺を褒めるとか珍しい。 なんだか嬉しくなってくる。 「どこでするの?…………寒いから外はヤダな」 俺には、決定権はないとかまた怒られるだろうが、一応希望を言ってみる。 富田君は、怒るでもなく俺を見上げてそうだなと呟くとぐいと腕をひく。 「まずは、なんか、食おうぜ」

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