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意志薄弱→sideS

「士龍サン、なんか具合悪そうっすけど、大丈夫すか?」 直哉は、心配そうに机から身動きひとつできない俺の目の前に、サンドイッチとフルーツミックスを差し出してくる。 あんまり…………大丈夫じゃねーな。 富田君に、突っ込まれたエネマグラとかいう棒なのだが、ちと動いたらそのまま達してしまいそうだ。じっさい、今までにカライキを繰り返しすぎて、理性がとびそう。 教室で、悶え狂いそうなのを必死で耐えてる。 平気な顔を装うのは苦手ぢゃないけど、それには限度もある。 「具合悪ィ、点呼とったし…………午後はふける」 点呼とればいいのだが、形くらいは授業を受けときたいが、これは無理すぎるな。 「そんなにヤバかったら保健室とか」 机に突っ伏して、手に汗がダラダラたまってきてるのが分かる。 前も後ろもキツキツで、正直、いま正気保ってるだけでも、俺ってスゲーって思ってる。 「真壁」 チューチューと机に突っ伏しながらなんとかフルーツミックスを啜ってると、諸悪の根源の富田君が俺の席までやってくる。 何故だか、敵意むき出しの様子に俺の周りの奴らはざわりと色めき立つ。 「なあに富田君、サンドイッチ食べる?…………俺、お腹痛いからむり」 平静を装ってまだあけてないサンドイッチを、富田君に差し出す。 富田君は、ため息をついて受け取ると俺を見て、周りにアピールするように、挑発するような視線を向ける。 「もう…………帰るだろ。昇降口待ってるから」 俺の耳元で息を吐きながら囁く。 それだけでも、爆発しそうになり思わず拳を握りしめる。 「イイヨ」 なんとか、そう言って富田君を見上げると、富田君は俺のサンドイッチを開けて口に含んで教室を出ていく。 「なんすかね、助けてもらったってのにあの態度」 「いや、助けてねーし。落ちてたのを拾っただけだしな」 仲間には、そういうことにしといている。 「士龍サン、大丈夫すか?俺、家まで送りますよ」 直哉や仲間たちが心配して声を掛けてくれるんだが、だいたいそれどころじゃない。 「でーじょうぶ…………富田君が、送ってくれるって」 前も後ろもヤバイヤバイ、全身の毛穴が開いてしまっているような感覚。 なんか、言い訳考えていかねーと、勘繰られるのもいやだし。 思考回路もなんだか、にぶちんになってきている。 「富田君が、こないだの礼に…………メシをおごってくれるんだと」 「マジですか?でも、そんなフラフラじゃ危ねーすよ!士龍サン、ホントに調子悪そうだし」 いい理由を何とか思いついたのだが、仲間は俺の様子を見て、すぐさま反対をする。 富田君が、俺に対抗意識をもっているのは、周りも気がついている。 「おごりだぞ…………そういうチャンスは逃さないぞ」 「どんだけ食い物に釣られやすいんですか、ホントにアンタは」 呆れた顔で直哉は、俺のことを見やり、言っても無駄と悟って肩を聳やかすと、見送るように手を振る。 心配されてんのは分かるが、本当のことは言えない。 ゴメンな。 余裕なんかなくて、変な汗が下着の中を伝って落ちる。 階段を降りて昇降口へ辿り着くまでに、体の中心にはまった栓が動いて、脳みそが痺れてくる。 視界も霞んで、クラクラしてくる。 漸く昇降口を出ると、バイクに跨った富田君がさっそうと現れて俺の手にメットを渡してくる。 やっぱり、バイクはカッコイイし羨ましい。 俺の原チャとは違うなー。 「うわ…………もうスゲーエロい顔してんな、真壁。エネマグラってやっぱりヤバイ?」 俺にはいつもの余裕はない。 「仕方ねーよ、もうイキそうなんだからさあ…………早く帰ろう。も…………ほしい」 メットを被って、足を開いて跨がるとグッと奥まで入りこんで、ビリビリ手足が痺れて唇が開く。 「帰るまで、ガマンできるんかよ?」 俺の様子を見てからかうような目を向ける富田君に、多分ガマンできねーとか思いながら、余裕な顔を無理やりする。 「…………安全運転、ヨロシク」

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