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僅花一朝→sideS

昨日は学校に原付を置いてきちまったので、虎王のバイクで悠々登校したので、早速とばかりに昼休みに溜まり場の教室にいくと、直哉たちに怒りの形相で詰め寄られた。 2年の奴らは特に同級ってこともあり、出ていった虎王たちに対する反感は強い。 隠しても仕方がないというのは、最初から決めてたことだ。 だから、素直に虎王とお付き合いすることを話した。 「何、言ってンすか?!士龍サン、ぜってえ騙されてマスッて」 予想はしていたんだが、直哉は俺の肩を揺すって、更に今までにないくらいの鬼の形相になっている。 虎王と付き合うとカミングアウトした途端だ、有無を言わせずである。 …………よっぽどアイツ嫌われてんだな。 直哉も他の奴らも俺が付きあうのが、虎王だから反対してるだけで、なんか男だっていうのはまったく気にしてないようだ。 「騙されてても、俺のが強えーしし」 「油断させられて、寝首かかれたらどうすんですか」 セックスしてる最中にヤられたら、確かに潰されっけど、最初からその気ならもうやってるだろうし。 あんな真剣な顔されて、今さら騙されるとかは決してない。 「へーきだって」 「また、一体何につられたんです、士龍サン。食い物食い放題とか言われて、逆に食われ放題されちまったらどーすんですか」 まー、すでに食われ放題されまくりなんだけどな。 他の奴らも臨戦モードのようだが、多分こいつらじゃ虎王には勝てない。 「…………そんな食い意地張ってねーよ」 流石のやりとりに辟易して、なんだか面倒くさくなってくる。 とりあえず、片手にしているメロンパンを口に含む。 「じゃあなんなんです、何がヨカッタんです。士龍サン、女の子にモテるじゃないですか?ワザワザあんなむさい男を相手にしなくても」 食い下がるナオヤに、俺はもぐもぐ食べながら首を傾げる。 女の子より、ヨカッタからなんだけどな。 「んーーちんこかな」 俺の言葉に、ナオヤは口をあんぐりとあける。 「!!!もー、すでに食われてんじゃないですか!!」 「だってキモチイイんだもんー」 ナオヤは呆れた顔で俺を見やり、ふうっと大きく息を吐いた。 「アンタの羞恥心は、どっかにおさんぽ中ですか、士龍サン」 「かもなー。いいじゃねーか、俺が気にいってんだからさ」 もぐもぐとメロンパンを食べて終えて言い返すと、周りの奴らは心配そうに俺を見ている。 「俺らは士龍サンに、恩も義理もあるから、変な奴にだまされたり、傷つけられたりしたくねーんす。たとえ誰と付き合おうと、士龍さんから離れはしねーすけど…………。そんで、富田のトコの奴らに見下されたりするのは許せねーんすよ」 「お前らが傷つけられたら、俺ァ、虎王のトコの奴でも潰しにいく、それは変わらねえぞ」 下に見るとか、そんなのはどーでもいいけどな。 「俺達じゃ、アンタを説得できねえし。栗原さん呼びます」 皆が俺を慕ってくれてんのはわかるから、守りてーって思う。 全力で。 それじゃダメなのか? 「別に、ミッチーに言われてもかわんねえよ」 「わかってっすけど、士龍さんを傷つけたりする奴は許せねーんすよ」 直哉は真剣な表情で、俺の前の机をバンッと叩いた。 心から心配してくれるこいつらのことは、有難いとは思う。 しばらくして、ガラガラと引き戸が空いて道郎と将兵が入ってくる。 こいつら出てくると、ちょっと厄介だよな。 「士龍、ホンキ?」 将兵は開口1番、そこを聞いてくる。 「ン、ホンキ」 「こないだのさ、嫌われてるって悩んでたセフレの小悪魔ちゃんは?」 「…………つか、それが虎王だった」 「あー。なるほどなあ…………」 あの時は、そこまで言えなかったけども。 将兵は苦笑を浮かべて、俺の背中を叩いた。 「そんなら、仕方ねえな…………あのガキ、士龍に傷つけたらぶち殺すケドな」 将兵は深くため息をつきながら、ばむばむと俺の頭を叩く。 「ぜってえ……傷つけない、命にかけて大事にするから、一緒にいさせてくれ」 突如空き教室の扉が開いて、低くとおる声が響き、赤い派手な髪が現れた。

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