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強制終了→sideT

何を言われているのか、オレにはまったく分からなかった。わかりたく、なかった。 なにもかも諦めたような表情で、終わりだと繰り返すのが何故かヤケになっているようにも聞こえて、感情に訴えたら、もしかしたらとも思った。 なのに、まったく、受け付けられず刃傷沙汰なんて、ホントに…………もうどうしようもない。 見上げると、首から赤い鮮血が首筋からシャツを羽織った胸元まで垂れ落ちてきて滲んでいる。それすら、なんだかセクシーにすら見えてしまう、自分の脳みそをなんとかしたい。 カレを失った事実を、オレは受け止められなくてどうしていいのかもわからず、ただ包丁を握っているその手を無理矢理刃物を奪い取ると、シンクにガチャンと投げ捨てた。 呼吸ができないほど、オレは自制心がどうしようもなくなって涙がとまらないでいる。 「死ぬな、よ…………死ぬとか…………いうな、よ」 涙が出るほど泣いたことなんか、いままでに、ない。 止まらないし、どうしたらいいのかわからない。 頭に血に濡れた手を置かれる。 「…………ゴメンね。虎王。…………ありがとう…………」 謝ってるのか。 お礼とか…………なんで。 何に対して、謝って、お礼しているんだ。 感情がまるでこもらない声。 いつも、感情でしかしゃべらない男が、感情を伏せてオレに声をかけている。 緑色の瞳は本当にガラスのように無機質に見えて、何の感情すら、見えない。 哀しいのか、寂しいのか、辛いのか……なにもわからない。 ようやく、手に入れたと思ったのに、オレの手からするりと抜け落ちていく。 なあ、士龍は、苦しくないのか。オレを苦しいほど好きだと言ってたのは、あれは嘘だったのか。 嘘なんてつけないのを知ってるのに、そんな風に思う。 …………兄弟だってだけで、それだけで簡単に手放せるってのかよ。 「………………アンタが、大事だ…………。死なせたくないから、オレは………………」 だから、オレは選ぶしかないだろう。 グイッと未練タラタラでオレは士龍のスエットのズボンの裾を掴む。 たった3日だ。…………何一つ、アンタにしてやれなかった。 恋人として過ごすより、脅していた期間の方が長いだなんて、なんだか、やるせない。 「分かってる。俺は…………オマエの気持ちに………つけこんだ。だから、オマエは俺を…………許さなくて、いい」 いつものふわふわした口調とは違う、どこか強い意思を含んだ言葉に、完全に叩きのめされ、オレは士龍の裾から指を外して頷いた。

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