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強制終了→sideS

キッチンに座り込んでしまい、すっかり塞ぎこんでしまった虎王は返事すらしなくなった。 頬は涙で濡れている。……泣かせてしまった。 罪悪感でいっぱいだ。 ホントは好きで仕方が無いのに、どうしようもないのに、こんな顔はさせたくないとか心が叫んでいる。 でも、仕方がないだろ。……弟、なんだ。あの人の息子なんだ。 諦めるしかない。 あき、らめる……しかない。俺が決めたことだ。 着てきたものを着直して、ジャンパーを羽織ってバックを掴むと、一応、虎王には声をかける。 「ンじゃ、帰るわ…………じゃあな……」 虎王をそのまま置いて、俺はマンションを出た。 ここに来た時はすっかりはしゃいで、アホみたく喜んでたのに、帰りにはこんな気持ちになるなんて思ってもみなかった。 …………足が重たい。 人生なんてそんなもん、だな。 うまくいきそうだなんて考えて浮かれていたら、軽く足元をすくわれちまう。 包丁で切りつけた首筋の傷が、ヒリヒリ痛い。 今更だけど痛い。 痛くて痛くて…………心臓が掴まれるように、ぎゅうぎゅうと痛くてたまらない。 あの時は、ちっとも痛くなかったのに。 そのまま、包丁で喉まで切り裂けば、きっとこんなに痛くなかったかもしれない。さらっと死ねてよかったかもしれない。 方向すら分からず、目の前がうまく見えない。 と、思ったら、パタパタと目から汁が落ちてくる。 ……ああ……しょっぺえな。 振ったのは俺の方なのに、しっかりとダメージ受けてやがる。涙出すほどとか、ないわ。 …………情けねーな。 帰り方わからねーし、すっかり道がわからず適当に歩いたので迷子だ。 このまま行き倒れそうだ。 スマホを出して、ナオヤの番号を押すと、即座に電話が繋がる。 「……士龍サン?!……どうしたすか?」 「…………ナオヤ、まいごなうー。なあ、バイクで迎えきて。なんか、寒くて行き倒れて死にそうだから早くきて」 律儀にすぐに電話に出てくれた直哉に、俺はなるだけ軽い口調で頼んだ。 近くのコンビニの前の縁石に座り込む。 今日はホントに憎たらしいくらい、いい天気だな。 デート日和だったよなー。太陽が勿体なくて見ているのもむかつくな。 今すぐ、太陽が落ちてきて、俺に直撃して全部燃やしてくれれば、楽、なのにな。 そんなうまい話を神様は、もってきちゃくれない。 きっと、明日も同じように、やってくる。 そういう、もんだ。

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