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社燕秋鴻 →sideS
直哉に告げたコンビニの前で駐車場の縁石に座って待っている間、やってくる客に変な目でみられる。
怪我してるし、血だらけだしな。
パタパタ涙は垂れてくるし、最悪。
よく、虎王の前で泣かないで我慢したよね。
ホントに俺、えらいよね。
すげー、胸いてえのになあ、平気な顔できてたよね。
「ちょっ、士龍サン。ホントに何してんすか!?怪我してんじゃないすか」
バイクからおりて近づいてきた直哉は、俺のシャツが血に染まっているのを見て、かなり慌てたように駆け寄ってくる。
パタパタと焦ってくる様子は、まるでわんこみたいで可愛いなーとか、ぼんやり考える。
「……大丈夫、自分でヤッたヤツだから…………加減してある」
軽く皮膚だけ軽く切っただけ。
血管まではいってない。
よっこいせと腰をあげて、直哉が停めたバイクまで歩み寄り、勝手にバイクのタンデムへと跨る。
「士龍サン…………富田は、どーしたんすか?!」
俺の様子が変だと思ったのか、直哉は勘がいいのか核心をついてくる。
「んー……………。色々めんどうになったから捨てた」
直哉の表情が固まり、俺の真意を問うような目をする。
面倒になったのは確かだ。
ホントのこと、だ。
自分の弟だなんて、面倒くさすぎる。
男同士だってだけで普通に歓迎はされないのに、更に父親が一緒とか。俺には無理難題すぎる。俺は俺の意思を通しただけだから、虎王は悪くは無い。
「ゴメン、本気とかオマエらにいっといて、舌の根もかわかんうちに…………」
直哉はため息をついて首を振ると、バイクに跨りながら俺にメットを手渡す。
「俺らはどんな理由だとしても、士龍サンの味方っすから。だから、そんな顔しねーでください」
いつだって、こいつらは俺の味方をしてくれるのは、知ってる。
ホントにみんなには、俺は助けられている。
「…………村澤さんの家にいきましょうか。俺だと本音だせないでしょ」
メットをかぶると、直哉は気を使って言ってくれる。
確かに年下だから、あんまみっともねえことは、言えない。
「悪い。…………ショーちゃんには、メールしとく。…………でも、まー、たけおは悪くねーのは確かだ。間違っても…………オマエら手ェ出すなよ」
直哉の虎王より少し細い腰に腕を回して、ぐいとつかまる。
念のため釘をさしておく。
手は出さないにしても、あんだけ塞ぎこんでたら、まさか負けないとは思うけど、万が一のこともある。それこそ立ち直れなくなるかもしれない。
この後に及んで変な心配してる。
我ながら、ホントに未練がましい。
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