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相思相愛→sideS
どうやらイキすぎて意識を手放していたらしく、気がついたら、すでに身体は綺麗に拭かれ後処理もされて肌もさらさらで、虎王に抱きつかれていた。
いつもながら、すごくマメだよな。
赤い髪がひっついていて、眠っていると眉間のシワがなくて年相応よりも幼くさえ見える。
.....弟か。
にーちゃんとかあんなに嫌がらせみたく繰り返し言われても、まったく実感わかない。
別れるって言って辛い思いさせたのは事実だが、あんなふうに呼ぶとか、意地悪しすぎだろ。
思わず、らしくもなく涙とか出ちまったじゃねーかよ。
額に軽くデコピンして、背中に腕を回してギュッと抱き返す。離したくないよ。もう二度となあ。
それにしても、災い転じてなんとかなんとかってヤツだな。
じいちゃんもよく言ってた。ピンチはチャンスってことなんだろう。
ピクピクと瞼が震えてゆっくり開くと俺の顔を安心したような表情で見返す。
「……士龍…………起きたのか」
少し掠れたハスキーな低い声。
「ん、結構寝ちまった。ここんとこさ、よく寝れてなかったから」
鼻面にチュッとかさついた唇が当てられて、上から真摯な目を向けられる。
なんだか、ちと、恥ずかしい。
「…………無理させちまったか」
虎王は、心配そうにじっと俺の顔をまじまじと覗き込んでくる。
心配されるのは、なんだかくすぐったいな。
「ん?…………いや、俺がオマエとヤリたかったんだ。別に、無理なんかしてねーよ」
実感したかった。
ちゃんとこの手に取り戻した証が、この体に欲しかった。
虎王は、ふと不安そうに顔を歪めた。
「オレは、起きたら…………全部夢で、まだヤクザに捕まってるとか…………さ。士龍がここから居なくなってそうで、あんまり寝れなかった」
すがりつくように抱きつかれて、悪い気はしない。
好きだと言われた時から虎王は優しいし、あんなに嫌いだと言い続けてたのに、それからは、俺を好きだと素直に表現する。
「…………ばーか、いなくなんねーよ。大体オマエは俺のもんだ。置いてかねーよ」
とーちゃんから取り戻して俺のもんだと宣言した。
それを置いてなんかいかない。
「っ………士龍、カッケーよな、ホント。オレはアンタのだ」
抱きしめる力強い腕が気持ちよくて、俺は身体を預けるように寄りかかる。
「オレさ…………入学してすぐにさ、士龍のことを聞いて、士龍が憧れになったんだ。アンタにテッペン取らせたくて仕方がなかった。テッペン興味ねーて知ってもずっとそう思ってた」
まるで打ち明けばなしのように、ぽつぽつと虎王は話し出す。
「前にもそんなこと言ってたな。テッペンは、俺の性格的に難しいからよ、たけおがとればいいんじゃね?」
テッペンなんかとったら、学校全部守らなきゃならなくなっちまう。トール君と戦いたくなかったし……だけど、全体のてっぺんになったら別だ。
性格的に見捨てられない。
「ま、金崎んとこは壊滅だし、ウッチーとこは数すくねーしなー。俺がオマエの味方すりゃ、問題ねーだろ」
「それは、オレの力じゃねーから嫌だ」
拗ねた表情をして俺をにらみ返すのが、ホントに可愛い。
ウッチーこと、内添も俺と同じように自分の仲間を大事にするタイプで、金崎とは違う。
「じゃあ、俺とタイマン張る?」
「………士龍、本気ださねーだろ」
「まあ、テッペンいらないからなー」
「アンタを傷つけるだけのことは、できねーよ」
金崎のとこが、復活したとしても俺には手はだしてこないだろうし。
ウッチーとたけおがタイマン張ったとしても、虎王が勝つだろうし。
めんどくせーけど、虎王にも男の矜持とかいうのがあるはずだからな。
俺が多分4人の中じゃ1番つえーのはわかっている。
「たけお、カッケーな。でも、俺もオマエは殴れねーよ」
「相思相愛だな」
嬉しそうにたけおは身体をくっつけてくる。ひとつひとつの仕草が可愛らしい。
こんな図体がでかい男を可愛らしいとか思う日がこようは思わなかったな。
「だったら、俺はオマエの傘下に付くかな」
「ああ?何言ってんだ」
ちょっとムッとした虎王に、俺は唇をくっつける。
「合併じゃねーよ、傘下って名目だけだ。テッペン争いから降りるのには、都合いいだろ」
「でもよ、、、、、それは違うし……」
のりきれないのか、ブツブツいっている虎王の顔を覗き込んで再びくっつけた唇でちゅとそれを吸い上げた。
「どっちにしろ、お互いピンチなら助けにいっちまうだろ?俺のこと守ってね、ダーリン」
虎王は俺をじっと見返して、深い吐息を吐き出すとくしゃくしゃと髪をかき乱す。
「ばーか、オレはもっと強くなるぜ、士龍」
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