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爆弾発言→sideS
なんだかんだ絡んでくるハルちゃんこと、小倉遥佳(はるよし)を追い払い、教室に入ると教卓の前の椅子に座った。
ここが俺の定位置だ。
「士龍、いいかげん小倉をかまいすぎ。かまうと調子乗るからさ、アイツ」
将兵は、ちょっと不安がるような不機嫌な表情になりながらも、俺の前に菓子パンといちごみるくを置く。
なんだかんだ将兵は俺の好きなものは、すぐに調達してくるんだよな。
「ハルちゃんは俺に対しては口だけだしな。よくトール君には突っ込んでって壊滅してんのにさ」
教室には、3年のいつものメンツがそろってトランプをしている。去年までは幹部として俺を支えてくれてたメンツだ。
みんな就職が決まったので、こいつらのことは喧嘩とか余計なことには関わらせたくはない。
それに、虎王をテッペンにしたいから余計なチャチャが入る前にこいつらにはちゃんといわねーとなんない。
「しかし今のはマズイな。小倉は士龍が大好きだからよ。ハセガワ潰しにいったのも、絶対士龍に認められたかったからだろ」
将兵はタバコに火をつけながら、俺の顔をひどく困ったような顔をして覗き込む。
「それが、士龍は抜け忍の富田とお付き合いなんかしだすし、知らなかった小倉は荒れるんじゃねえの」
「抜け忍て、ココは忍びの里かよ。んー、にんにん。俺もテッペンとかいらねーしなあ。テッペン欲しけりゃ、まあ抜けるしかないだろ?」
「まー、そうだけどよ。大体さあ、ホントにこのショボいののどこに惚れたのよ。士龍ならオンナも選び放題だったじゃねーの。喧嘩だって、士龍には勝てそうじゃねーだろ」
ちらっと虎王を見るといたたまれない表情をしながら、いつでも反撃をとれる体勢で周りに気を張っている。
敵意剥き出しすぎなんだよな。
「まー前も言ったけどさ、最初はカラダかな。オンナとするよりキモチいーし、優しいし」
「まあ、聞いたけどね。えろえろ小悪魔ちゃんだろ、ちゃんと考えたんだよな、シロー」
俺のおかあさんのように世話をやいてくれる、栗原道郎がトランプを投げてこっちにくる。
「考えて悩んだよ」
「悩んだんだ」
俺の答えに意外だったのか、呆気にとられた顔を道郎は返す。
「そりゃな、悩んだぞ」
「男同士だし、悩むか。シローでも流石に」
「それは悩まなかったけど、弟だからさ。兄弟は流石にイケナイかなって」
「弟?!富田が?」
将兵には話したが、将兵は道郎にはこの話は言ってなかったようだ。
かなりの驚きをされる。
「とーちゃんが一緒なんだ、俺に似てカッコイイだろ?」
目元は母親に似てるみたいだが、骨格とか顔つきはなんとなく俺に似てるかなって最近思う。
「富田は、それでイイのか?…………1度は、それで士龍はお前を捨てたんだぞ」
将兵はなんだか複雑そうな顔で虎王に近づく。
捨てた話をした後のことは、将兵にはしていなかった。
「村澤さん。オレは士龍を兄貴とか思ってねぇです。そりゃ1度は捨てられたけど、命懸けで助けてくれた人です。……それにオレは、去年士龍にテッペンとらせたかったんすよ。それくらい憧れてたんす。士龍が手に入るなら何もいらねぇくらい、好きです」
気恥ずかしいのか、顔を真っ赤にしながらそれでも低い声で言い募る。
将兵は深々とため息をついて、バリバリと茶色い髪を掻く。
「ほーんと、揃ってアホ兄弟かよ……士龍がモノにされたってわかって……、小倉は荒れるぜ」
「ショーちゃん、ショーちゃん、たけおが俺のモノなんだぞ」
「…………どっちでも一緒だって」
「とりあえず、世代交代でさ荒れると思うけど、オマエら手ェ出すなよ。俺はたけおにつく」
「あー、士龍、オレはテッペンとかいらないよ、もう」
「ウッチーは、ないけど金崎は仕掛けてくるだろ?そんときゃつくって言ってんの。俺もテッペンとかいらん」
俺は言い返して、モゴモゴしてる虎王に釘をさす。
金崎は、卑怯だからな、テッペンなんかとってほしくない。
ウッチーのとこは、平和主義だから金崎に狙われたら簡単に与するかもしれない。
「ウッチーのとこは、俺が話をつけっから」
「士龍、そいつに本気なんだな。面倒くさがりの士龍が動くと言ってんだもんな、しょうがない、俺らはいつだってあんたの味方だ」
将兵は、俺をマジマジと見ながら吐息をつきながらそう言った。
「ショーちゃん、いつもありがとね。」
「今更でしょ。いつも士龍が俺らを守ってくれてんだからな」
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