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【第1話】目が覚めたら……。
――ガタンと何かが揺れる音が、静けさが漂う中で響いた。その音に気がつき、不意に目が覚めた。すると視界に突然、暗闇が飛び込んできた。その中で俺は急に目が覚めた。
ここはどこだ?
ただ狭い事だけはわかった。先に足が壁の方にあたった。それから手と頭が壁にあたった。 この狭い空間と重圧感は、何処と無く息苦しさを感じさせた。両手を前へと突き出した。すると両手が何かにぶつかった。それは木の板のようだった。
なっ、なんだよこれ……!?
それに狭いし、息苦しい……!!
ここはどこだ……!?
青ざめた表情を浮かべながらジっと考えると、瞬時にあることが頭の中に過った。
もしかしたらここは箱の中……!?
な、なんで箱の中……!?
じょ、冗談だろ……!?
そう思った途端に全身から血の気がいた。そして混乱の波が頭の中に押し寄せた。突然押し寄せてきた混乱に頭が耐えられなくなると突如、大声で叫んだ。
『だ、誰か助けてくれ! 誰かいないのか!? 箱の中に閉じ込められた! 誰か返事をしてくれぇーっ!!』
両手を上に突き出しながら無我夢中で叩いた。だが、いくら叩いてもびくともしなかった。それどころか板は頑丈に出来ていた。ワーッと大声で叫んでも誰の返事も返ってはこなかった。暗闇の中の沈黙は余計に恐怖と絶望さえも予感させた。
俺はまさかこのままなのか……!?
このままこの箱の中から出られないのか……!?
じょ、冗談じゃない……!
死にたくない……!
死にたくない……!
誰か助けてくれぇ――っ!!
声を振り絞りながら叫ぶと、箱が一瞬ガタンと揺れた。
なっ、なんだ……!?
耳をよくすますと近くで、動くエンジン音が聞こえてきた。
エンジン……!?
ど、どこからだ……!?
とにかく落ち着け……!
冷静になって考えろ……!
そもそも俺は、なんでこんな箱の中に閉じ込められているんだ……!?
落ち着いてよく思い出すんだ…――!
はりつめた緊張感と混乱した状況の中で俺は、必死にその事を考え始めた――。
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