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屈辱と……

「――ねぇ、悠真。今頃キミの家族や両親や兄弟はどうしているだろうね? 今頃は心配してるかも知れないね。だけど残念だ。キミは家族の所には帰れない。いや、帰さない。だってキミはずっと私と一緒にいるんだ。そう、死ぬまで永遠にね。僕達はそう言うさだめられた運命なのさ。ロマンチックだろ?」 「戯言をほざくな気色悪い。誰がお前と死ぬまで一緒にいるかよ。そんなのごめんだぜ、チャンスがあったら逃げてやる! ついでにクソビッチのお前をホフってやるから楽しみにしてろよ……!」 「ああ、悠真…――」 あいつは目の前で溜め息をつくといきなり俺の顔をひっぱたいてきた。その瞬間、下唇が切れた。最悪だ。俺はますます奴に対して強い怒りが込み上がった。顔をぶつと主のつもりで威張り腐ってきた。顎を指先で上に向かせると真っ白い仮面が俺を睨んだ。ついでにその目は、俺に対して怒りさえも感じさせた。  くそっ……  ちくしょう……  何で俺が……  何で…… 地下室に監禁されたあげくに、体の自由も完全に奪われた。  これは死ぬ前の余興なのか? ただ、イカれた奴と一緒にいるのは確かだった。  誰も俺を助けには来ない。そう、誰も――。 「ダメだなぁ悠真……。犬には躾が必要のようだ。飼い主がお手と言ったらお手をする犬みたいに、躾ないといつまでたっても、私に反抗するだろ。じゃあ、今からキミに躾でもしてみようかな?」 「あぁ!?」 そう言って後ろに回ると、着ているYシャツをグッと掴んで背中からに引き裂いてきた。その瞬間、着ていた服が大きく引き裂かれた。そして、背中の上から素手で触ってきた。

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