65 / 217

いつか誰かの記憶

――あいつの肌は雪のように白かった。余り太陽の陽射しに当たってないような、そんな綺麗な肌をしていた。 俺より身長も小さくて小柄で華奢な体格だった。腕も手足も木の枝みたいに細くて、掴んだりしたら直ぐに折れてしまいそうな弱々しい体だった。見た感じから物静かで大人しそうに見えた。  そんなあいつに俺は少なからず意識していた。

ともだちにシェアしよう!