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支配者

「少し喋り過ぎたみたいだな。さてと、そろそろこれを飲んで貰うよ?」  仮面の男はそう話すと、コップに水を注いだ。そして、それを持つともう片方の手に錠剤を手にした。 「さあ、これを飲みなさい。気分が良くなるよ」 「……ッ!!」  悠真は男に『薬を飲みなさい』と命令された。だが、もはやそれどころじゃなくなった。カッとなると感情を剥き出しにして喋った。 「今、復讐って言ったな!? 何だ復讐って!? 何で俺がお前に、復讐されなきゃならない!? ふざけるな、俺はお前に復讐されるような覚えはないっ!!」  カッとなりながら言い放つと、相手は言い返すことも無く。聞いてない態度をとった。 「――ほら、悠真。痛み止めと鎮静剤だ。そんなに興奮して可哀想に。余程ショックだったんだろうね。さあ、早くこれを飲みなさい」 「ってめぇ……!」 その瞬間、悠真は差し出されたコップを反射的に手で叩いて払った。コップは手から滑り落ちるとそのまま床の上で割れた。 パリーンとガラスの破片が飛び散る音を合図に、仮面の男は突然、豹変した。いきなり両手を伸ばすと悠真の首を絞めた。そして、そのままベッドに押し倒して上に馬乗りになった。 『うぐっ!!』 馬乗りの状態で悠真の首を両手で締めた。本気で自分の首を絞められると、下で必死に抵抗した。だが、腕の力は強く。簡単にそれを振り解く事も出来なかった。そして、段々と息が苦しくなってきた。余り苦しさに男の手に爪を立ててジタバタと足掻いた。  

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