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─見返り─

 この打ち付けられた木の板の向こう側を見てみたい。外の景色はどうなっているのかがわかる。そう思いながら目を凝らして、板の間に小さな穴か隙間が無いかをくまなく調べてみた。  「クソ、一体ここは何処だ!? 俺は今、どこにいる! 何でもいい、外の景色を見せてくれ!」  そんな願うような気持ちでいると、木の板の向こう側から微かに雨の音が聞こえてきた。 「雨?  外は雨なのか……?」  そういえば前に、小さな明かりが板の隙間から見えた。どの辺だったかな。  窓際に貼り付いて必死で目を凝らすと、やはり同じ場所から僅かに外の明りが見えた。それを例えると小さいネジ1本分くらいの小さな穴だった。穴が小さ過ぎて周りが良く見えなかったが、僅かに空の明りが見えた。しかし、やけに暗かった。 「おかしい……。となると今、雨が降っているから空が雲ってるのか? いや、ひょっとしたらもう夜か? 穴が小さ過ぎて周りが良く見えない……! 俺は一体、何処にいるんだ…――!?」  ほんの僅かに外の景色がみえるものの、全体を見る事は出来なかった。 「もう少しこの穴が広くなればいいのに……!」  そこで募る苛立ちを抑えきれなくなった時、閉まっていた扉がガチャリと開いた――。  

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