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─見返り─
「――キミのその金髪の髪色はとても似合う。また色が抜けたら染めればいい。その時、私がじっくりと染めてあげよう。なに、心配はいらないさ。私はこう見えても器用なんだよ?」
「ッ……!」
不意に背後から髪を怪しく触られると、優真は顔を歪めて舌打ちをした。そして、機嫌が悪そうな表情で唇を噛んだ。
「……って、てめぇに髪色のことで兎や角いわれる筋合いはねーよ!」
「フフフッ、照れてるのかい?」
「ッ……! 誰がてめぇ何かに…――!!」
そう言ってムキになって言い返すと背後から髪を撫でられて匂いを嗅がれた。僅かに体がビクッと反応すると、カッとなって振り返り。手を叩いて振り払った。
『俺にきやすく触るなっ!!』
彼に拒絶されるとナギは仮面の下でクスッと、笑って見せた。そして彼の傍から離れると可笑しそうに一言言い返した。
「キミと居ると本当に退屈しないな。直ぐにムキになる所なんて堪らなく可愛い。私はますます、キミに夢中になりそうだよ」
「ふざけるなよ…――! 人の事を監禁しておいてナメたこと言ってるんじゃねー! 俺はアンタが大嫌いだ! お前に可愛いとか言われると虫酸が走るんだよ!」
相手を強く睨むと、カッとなって言い放った。すると頬を平手打ちで殴られた。そして頭の髪を鷲掴みしてガンガンと、二回テーブルの上に押し付けられた状態で暴力を振るわれた。
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