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【第2話】悪夢の始まり

―――ひどく懐かしい夢を見た。 幼い頃、夏休みに家族と旅行に行った時、兄貴と一緒に森で虫取をして遊んだ。  初めて見るクワガタに俺が泣いて怖がると兄貴が『大丈夫、怖くないよ』と言ってハンカチで優しく涙を拭いてくれて抱き締めてくれた。 そして、夏の夕暮れの帰り道に。兄貴は幼い俺の手を繋いで一緒に歩いてくれた。あれは、俺の幻だったのか。あの時の兄さんは優しかった。

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