31 / 217
白の記憶
――ザァー……。
あの子がここに運ばれてから2日過ぎた。
まだ雨がやまない。
病室で寝ているあの子をみた。
身体中には医療用のチューブやら点滴やら色々まかれている状態だった。これで本当に、生きているのだろうか――?
辛うじて呼吸をしている。でも、未だに意識がない。このまま息をひきとれば本人も楽になるのかもしれない。目を覚ませば地獄の苦痛が待っているだろう。
どうしてこんなことに……。
そう思っているといつの間にか、手が生命維持装置に伸びていた。
ともだちにシェアしよう!