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失踪

「は、悠真? んなもん知るかよ。確かにバイト先も一緒だけどなぁ。わざわざシフトまで一緒にしてねーよ。まあ、うちの店長だったら何か詳しく知ってるかも知れないけどな」 彼はそう言って答えるとウザそうに言い返した。 「悠真君だけど、最近みんな見かけてないんだ。大学にも来てないし携帯にかけても繋がらないしだから真樹君なら何か知ってるのかなって思ってさ?」 カナは彼に尋ねると少し心配そうな表情をした。真樹はその質問に『さぁ』と言い返した。 「だ〜っつ!! さっきからどいつも、悠真悠真ってうるせぇな! そんなの俺に一々聞くな! マジうざったりぃんだよ!」  真樹は突然、大きな声を上げると近くにあった椅子を左足で蹴り飛ばした。あからさま不機嫌な態度をとり、両手をポケットに突っ込んで彼らの方を見るとギロッと睨みつけた。食堂内のテラスは一瞬、真樹の怒鳴り声でシンと静まり返った。 「な……に、キレてるんだよ?」  近藤は驚くと、真樹の方を見て半笑いしながら不意に聞き返した。 「お前、ひょっとして何か知ってるの?」 「はぁ?」 彼が質問すると真樹は不機嫌な顔で言い返した。 「俺が知るわけないだろ。確かに悠真はダチだけどそこまでアイツと仲良くないからな。何が言いたいのか知らねーけどな、こっちは有難迷惑なんだよ!」 急に不機嫌になると『シラケた』と言って座ってた席を立ち上がった。カナは、彼のふてぶてしい態度に我慢できなくなると横から口を鋏んだ。  

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