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お隣りのツワブキさん⑤
午後6時、一宿一飯の恩義のつもりで智裕は茉莉ちゃんをお風呂に入れた。湯船の中でお風呂用のおもちゃで一緒に遊んで、子供用シャンプーで茉莉ちゃんをしっかり洗う。
1歳児といえど他所 様のお嬢様ということもあり、腰にタオルを巻いていた。
「ツワブキさーん、茉莉ちゃん上がりますよー。」
「はーい。」
浴室のドアを開けて、脱衣所に茉莉ちゃんを降ろすと、はしゃいだ茉莉ちゃんはお約束のように智裕を隠していたタオルを無残に取り上げた。出てきた智裕自身を見て茉莉ちゃんはケタケタと笑う。
「茉莉ちゃん⁉︎何してくれてんの!」
「きゃー!あはははは!」
しかしコレを認識している相手は男しかいなかったのが不幸中の幸いだと智裕は少し安心したが、自分の汚物を見せてしまったような気分になり軽く謝る。
「すいませんツワブキさん。茉莉ちゃん、お願いしまー……す。」
ヘラヘラと笑って顔を上げ、拓海の反応を確認したら智裕は訳がわからずに固まりそうになった。
拓海は思いっ切り顔を逸らして、固く目をつぶっていた。そして顔面の皮膚は真っ赤に染まっている。智裕はそっと浴室のドアを閉めた。
(何で赤くなるの⁉︎俺がめっちゃ恥ずかしくなるってば!)
智裕は他人の家の浴槽に沈んだ。
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