40 / 1000

マツダくんは常に災難②

高梨(たかなし)さん……あの身長差、やばいよ。」 「大丈夫、もう連写してるから。くっそぉ、何でよりによって松田なのよツワブキちゃーん。」 「もう少し締まった表情すれば松田くんもカッコいいのにね。」  少し距離をとった場所で、高梨と増田(ますだ)の腐女子2大巨頭は血走った眼で2人を見守っていた。  その恐ろしい視線に気がつくのは智裕だけだった。 「あ、あのさ!明日の放課後って用事、あるかな?」 「え……えっと、ないスけど…。」  拓海はとても言いづらそうに俯いて智裕に(たず)ねるので、宮西以外の周りの人間は固唾(かたず)を飲んで拓海の言葉を待つ。 「あ、明日ね…まーちゃんを預かってくれないかな?」  2年5組、小コケ。 「え?茉莉(マツリ)ちゃんをウチでですか?」 「うん。明日懇親会があって、俺新任だからどうしても出なきゃいけなくて…でも保育園が20時までで夜間の保育所も見つからなくて……。」 「あー、じゃあ今オフクロに電話してみます。」  智裕は電話をかけるために一旦教室を出て行った。

ともだちにシェアしよう!