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マツダくんは常に災難②
「高梨 さん……あの身長差、やばいよ。」
「大丈夫、もう連写してるから。くっそぉ、何でよりによって松田なのよツワブキちゃーん。」
「もう少し締まった表情すれば松田くんもカッコいいのにね。」
少し距離をとった場所で、高梨と増田 の腐女子2大巨頭は血走った眼で2人を見守っていた。
その恐ろしい視線に気がつくのは智裕だけだった。
「あ、あのさ!明日の放課後って用事、あるかな?」
「え……えっと、ないスけど…。」
拓海はとても言いづらそうに俯いて智裕に訊 ねるので、宮西以外の周りの人間は固唾 を飲んで拓海の言葉を待つ。
「あ、明日ね…まーちゃんを預かってくれないかな?」
2年5組、小コケ。
「え?茉莉 ちゃんをウチでですか?」
「うん。明日懇親会があって、俺新任だからどうしても出なきゃいけなくて…でも保育園が20時までで夜間の保育所も見つからなくて……。」
「あー、じゃあ今オフクロに電話してみます。」
智裕は電話をかけるために一旦教室を出て行った。
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