52 / 1000
ツワブキさんの本能③
智裕の頭に過ぎるのは、夕焼けの教室。
そこには泣き腫らした智裕と向かい合う星野の2人。
「俺、もう学校辞める。こんなんじゃここに来た意味ねーし。」
「……お前は本当にそれでいいのか?」
「………いいよ。だって……。」
「そんなに他人の意見が大事か?」
「カンケーねーじゃん。」
「外野の声はどうだっていい。お前は心からそう願ってるのか?」
「………………。」
風景を思い出した智裕は、左肘 がうずき、それを右手で押さえた。
ともだちにシェアしよう!