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ツワブキさんの本能⑧(※)

 拓海の姿だけで智裕は興奮した。 (ややややややっべーぞ!ジャケットはともかくワイシャツ濡れて乳首透けてるし鎖骨濡れてエロいしスラックスずり下がってパンツ丸見えだしパンツ張り付いてて拓海さんのアソコがかたどられてハッキリ見えるし涙目で顔真っ赤で仕草も可愛いしあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!) 「どうしたら……ともひろくん、ゆるしてくれる?」  上目遣いで智裕を見つめる拓海、それで智裕の理性は人生最大級の崩壊を遂げた。 「抱かせてくれたら許すよ。」  音が反響する浴室でわざわざ耳元で、最強に低い声で囁いた。  拓海は鼓膜が性感帯へ変貌し、感じた。  クチュ クチュ 「ん、んぅ……ふぁ……ん。」  いつもは拓海が娘と一緒に寝ている温かなベッド。今、その上で拓海は本能のままに智裕を求めている。  何度か交わしている深いキスのはずなのに、互いに思考が融けてしまいそうだった。少しは薄くなったはずのアルコールが、口付けで智裕を酔わせていく。  既に服は全て脱ぎ捨てた。  拓海が智裕の全裸を見るのはあの時のハプニング以来で、智裕が拓海の一糸纏わぬ姿を見て触れるのは初めてだった。  2人ともベッドに横になり、抱き合って、密着して、掌で相手の皮膚を確かめながら、舌を絡ませる。  乾いていない、濡れた髪が顔に張り付く。  部屋の明かりはついていないが、付けっ放しにした廊下の照明が開けっ放しの入り口から漏れて、絶妙に互いを照らしている。それが、一層淫ら。 「俺マジでもう抑えきかないからな……。」  最終確認のように智裕は拓海と目を合わせる。  拓海はキスの名残の呼吸と蕩けた眼を智裕に向ける。拓海の眼にも理性はなかった。

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