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ツワブキさんの本能⑨(※)
「ずっと……こうなりたかった……おれのほう、だから…。」
「拓海、煽り過ぎ…っ。」
「ふぅ……んっ。」
また深く口付け、智裕は拓海を組み敷く態勢をとった。拓海の右手を左手で、ひとつひとつ指を絡ませて拘束する。
指の神経から拓海は智裕の熱を感じる。
ジンジン伝わる甘い痺れを放出したくて堪らず、拓海は「はぁ、はぁ」と熱い息を吐きながら空いてる左手を口元に持っていき、甘く食 んで、刺激で気を逸らそうとする。
「ねぇ、拓海のそれ、クセ?」
「ふぇ?」
「すっげーエロいんだけど。」
「あぁっ!や、だめぇ……っ!」
智裕の右手の指先は、拓海の首筋から鎖骨、胸の真ん中、ツツツと辿って、横に軌道をそらすと、ぐるぐると大きく心臓をかたどる円を描く。
段々と小さくなる円は乳輪からツンと主張する頂 をクリクリする。
腰をくねらせ、ひたすら悶えるしかない拓海の更なる痴態を知りたくて、智裕は唇でそれを遊び始めた。
「はぁ、ん…っ!あ、や…あぁ…っ!」
「ん…拓海、乳首、いいの?」
「んん……やだぁ……っ!」
「嫌なの?」
「ちがう、よ……も、しんぞぉ、とけちゃう…。」
甘くて、融けてしまいそうな智裕の熱と愛撫を表現するにはその例えが正解なのかもしれない。
智裕の脚には拓海の硬くなったモノが当たっている。本番はこれから、だと言うのに、保健室での時よりも硬度がある。
(拓海の…超熱い。)
右手は左側の胸部から、突然、1番弱いソコに移動する。
唐突な智裕の行動に拓海は小さく悲鳴をあげる。予測出来なかった驚きだった。
智裕は握って、親指で先端を弄ると、すでに濡れていた。
「すっげ……乳首、そんなよかった?」
「や、あぁ…そんな、こと……。」
「言わないと、ここ、ギュッとするけど?」
「ふぅ…あ……や、やだぁ……。」
また拓海の目から涙が流れた。
熱を帯びた目の周りは赤くて、呼吸は荒くて、肌の水滴は汗なのか拭き取れていなかった雫なのかわからない。
智裕は拓海の右手を自分の口に含んで、指紋を舐める。せき止められていた拓海は全身が小刻みに震えていた。
「も、だしたい……よ……ともひろく……あぁ……。」
「拓海が正直になってくれたら、いいよ。」
少し意地悪になった智裕はその背徳感でゾクゾクした。
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