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ホシノ先生の回顧②
江川一起 、1年の時からクラス委員を任せ、担任の星野も信頼している男子生徒。
身長も180cm近くあり、スポーツもそこそこ、学力は常に上位、面倒見も良く、勿論女子からもモテている。
あの個性の塊のようなクラスをまとめていること、教師の星野も驚愕と同時に賞賛していた。
(完璧に見えるから、気にはなるけどな。)
「いや、ヤンキーじゃないんだから此処で屯ろは先生もマズくないですか?」
「大丈夫だって。最近は若者よりジジイの方が屯ろってるぞ。」
「それ、ちゃんと家ある人のことですか?」
「細 けぇことは気にすんな。」
「はぁ……。」
(クソ真面目で、完璧で、人に気を遣って……サイダーが好きなとこ、一緒なんだよな。)
「江川、お前彼女とかいんの?」
「いたら此処で先生と屯ろしてませんよ。」
「お前なら選び放題、ヤリ放題じゃねーの?めっちゃ告白されてんじゃん。」
「何で先生がそんなこと知ってるんですか?」
「大竹から情報提供してもらってるから。」
江川はため息をこぼしてサイダーを飲んだ。星野も缶コーヒーを飲む。
その味は苦くて呆けていた脳が冷めそうだった。
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