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穏やかな休日のフタリ⑥

 風呂から出て、智裕は現実にかえった。  まず昨夜の後始末をしなければならない。そして拓海は腰と尻を痛めてしまっていた。 「マジで俺のせいだから、拓海さんはソファに座ってて!」 「わかった……お願いします……。」  自分もやる、ときかない拓海をなんとか説得して智裕は洗濯、掃除を開始する。  脱ぎ捨てたり濡れている衣服、タオル、シーツを洗濯機に放り込み、液体洗剤と柔軟剤を洗剤ケースに入れて、スイッチを入れる。  次に寝室の換気をする。そしてベランダも窓を開ける。  敷布団と掛け布団をベランダに干して、布団叩きで埃を落とし、衣類用除菌スプレーをかける。  掃除機をくまなくかけると、フローリング用モップシートで拭き掃除。  そして寝室のゴミ箱を空にして、昨日は何もなかったかのように現状復帰をした。 (えーっと……使用済みコンドームが1、2、3、4、5ぉ⁉︎マジかよ……え、5回もズコバコしてビューってなってシャキーンして……最初以外覚えてねぇえぇぇぇぇぇぇ!)  智裕はしばらく頭を抱えた。  もしかしたら昨夜を思い出してまた興奮するかもしれない、と杞憂していたが、正反対、ドン引きしてしまった。  そしてゴミと一緒にこの真相は墓場まで持っていこうと決めた。

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