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マツダくんの傷痕②
「あの…星野先生って1年生から智裕 くんの担任でしたよね。」
「まぁ繰り上げですからね。」
「俺、この前…智裕くんの肘 の傷見ちゃって……何気なしに訊 ねたら、はぐらかされてしまったんですよ。」
「あー……っと。」
星野は頭を掻きながら、こちらも気まずそうに話し出す。
「ま、別に隠してる過去でもないですけど……自分から上手く話せないだけなんですよね、松田 の場合。」
「……俺も無理に訊きたいわけじゃないんですけど……あんな智裕くん初めてだったから、少し不安になってしまっただけで……ごめんなさい、もう大丈夫です!」
「いや、担任として養護教諭の先生に伝えないといけないことではあるので、お話します。」
星野は石蕗の方をしっかりと見て、真面目にそう言った。
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