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マツダくんの傷痕⑤

 松田母、本日は仕事も休みで午前中に掃除、夕飯の下ごしらえも終えて、まったりとした午後を過ごしていた。  そして夕飯を作っている最中に味噌がきれてしまったので、近所のスーパーへママチャリを漕いで向かう。 「あー、いつものお味噌がなかったわねー……。」  ブツブツ文句を言いながら帰っていると、川沿いのグラウンドから威勢の良い声が聞こえてきた。 「お願いしまーす!」  カキンッ  近所のリトルリーグが練習をしていた。松田母は思わずブレーキをかけてそれを眺めていた。思い出すのは数年前の長男の姿。 「………あの子、どうするのかしらね。」  そして再びペダルを漕いで家に向かう。松田母は目頭が熱くなってしまった。

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