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マツダくんの傷痕⑦

 その頃、近所のファストフード店。智裕と大竹(おおたけ)江川(えがわ)の3人は課題をしたり駄弁ったりしていた。 「何してんだよ大竹!」 「え、トモのシェイクにマスタード入れてるだけー。」 「俺の貴重な100円シェイクにぃぃぃぃ!」 「俺とマックに行って席離れる方が悪いですぅ。」 「江川っちー!なんで止めてくれないんだよぉ!」 「いや、チョコレートだから気づかなかった。」 「それ絶対確信犯だよな!お前まで俺の敵か!この真面目が!」 「何で真面目が悪口になるんだよ。」 「そうだそうだ!茶髪童貞野郎!」 「うるせーよ!童貞じゃねーし!ばーかばーか!」 「なぁなぁ、一起(カズキ)とトモ、進路のやつ書いたー?」 「書いたぞ。俺は一応進学だな。」 「真面目ー、クソ真面目ー。トモは書いた?」 「俺も書いたぞ。」 「はぁ⁉︎出た!また裏切り!ちょっと見せろよ!」 「はぁ⁉︎さっさと書いてねー大竹(おまえ)が悪いんだろ!見せるかばーか!」 「馬鹿って言ったらカバになるぞ!」 「なんとでも言え、プライバシーを侵害されてたまるか!」 「へー、ちゃんと考えてんじゃん。スポーツ医療系の学部か専門学校ねぇ。」 「今日の江川っちは俺の敵だー!」 「トモ、全然面白くねーな。真面目ー、ヘタレ真面目ー。」 「ヘタレ関係なくね⁉︎」 「スポーツ医療系ということは、リハビリとか整体師か。」 「まさかツワブキちゃんにあれやこれやを…!」 「もう黙れよ!」  平日の18時15分の街はオレンジ色に染まっていた。

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