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オオタケくんも災難⑦
校舎を出た智裕と裕也と宮西は、いつものようにファストフード店で駄弁っていた。
「しかし男だとしても大竹に惚れる要素なんかひとつも見当たらねーんだけど。」
「黙れヘタレが。ツワブキちゃんにまだ弁明出来てない糞ヘタレに言われたくねーよ。」
「それ今言う?マジであれから拓海さん、目も合わせてくれなくなったんだよ。今日だってゴミ出ししたらすれ違ったのに…挨拶だけされて終わった。」
「自業自得だろ。ほんとヘタレで馬鹿すぎて幼馴染として恥ずかしいわー。」
宮西の棒読みが智裕に追い討ちをかける。智裕はショックを受けながらシェイクをズズッと啜る。
「それより俺はどうすりゃいいんだよぉ……てゆーかあんな1年俺知らねーし。」
「本当に心当たりねーの?松田よりはスタメン顔だしモテそうじゃん。」
「だーから止めろよぉ、地味顔とかベンチ顔とかぁ。」
「赤松……赤松……聞いたことねーな。1年の情報とかまだ5月だからこれといって入ってないんだよなぁ。あ、でもバレーボールの強化選手がいるってのは聞いたことある。」
「あー、水上なー。」
「は?」
「トモ知ってんの?」
シェイクのストローを無気力に咥えて不貞腐れながら智裕が応えると野次馬はすかさず反応する。
「中学ん時に何度か合宿で一緒になったことあるんだよなー。地元同じだったしテンションとか境遇も同じだったしなー。」
「合宿って、競技違くね?」
「代表の強化試合とかで泊まるとこだけ一緒だったんだよ。」
「でもそんなに強い奴が何でウチの高校なんだよ。普通の公立じゃん。」
「さぁ?」
そこで話は終わり、宮西はドリンクをストローでグルグル回しながら黙っている。
裕也はまた溜息を吐く。
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