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拡散されるマツダくん⑦
第四総合高校の職員室は、朝8時から朝礼を兼ねた緊急会議が行われた。
「えー、現在マスコミが押しかけている件ですが、明日まで警察の方に警備をお願いしました。各担任の先生方は、生徒に安易な受け答えをしないよう徹底的に指導をお願いします。」
教頭が現状報告をしつつ、他の教職員はそれに対して返事をする。
「また今日、明日はテスト期間同様に生徒のスマートフォンの回収をお願いします。1限目はLHRとし、SNSへの投稿によって今回のように一生徒のプライバシーが侵害されていること、その点を生徒に理解させるように指導をお願いします。それと、石蕗先生。」
「はい。」
「10時から市のカウンセラーの方がいらっしゃいます。この状況で不安になってしまっている生徒のケアを連携してお願いします。」
「わかりました。」
「えー、そして、今回の動画に映っていた2年5組の松田智裕については星野先生に一任しています。星野先生、ご報告をお願いします。」
「わかりました。」
教頭から指名されて星野が立ち上がると、教員たちは星野を注目する。
「えー、松田智裕は本日自宅待機の措置をとっております。これは保護者にも説明して承諾されてます。また松田は精神的にショックを受けている等の状態は見られませんでした。しかし状況悪化防止の為、私も5組の生徒への指導を徹底します。他の先生方も充分にお願いします。以上です。」
星野の淡々とした報告と依頼、拓海は遠くから見て、歯痒い気持ちになった。
(智裕くん……なんでこんなことになってるの…俺は何も出来ないんだろう。)
会議が終わり、拓海も保健室に向かおうとした。
「石蕗先生、ちょっとよろしいですか?」
呼び止めたのは星野だった。
「ええ……大丈夫、ですけど。」
返事をすると、星野についていく。
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