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昔のことを話そう【エガワくん】⑦
「手当て、してやるから。」
「………いいっすよ。」
「担任命令、内申点。」
「もうそれ脅迫ですよね。」
「うっせ。」
裕紀は小さく笑う。言われるままに一起は再び椅子に座る。
そして2人はテーブル越しではなく、直接向き合う。
一起は右手を裕紀に差し出すと、擦り傷は消毒されて慣れたように包帯を巻かれる。
「上手いんですね。」
「これでもスポーツマンだったからな。」
「どうみても体育会系です。」
「お前、ほんと辛辣だなぁ。」
一起は男性としても割と背も高く体格も小さいほうではないのだが、右手を包む裕紀の手は一回りくらい大きくて皮膚も堅かった。
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