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昔のことを話そう【タカナシさん】③
5年生の時、あまり野球に詳しくない私でも、アメリカが強いことは知っている。
なのに智裕はそのアメリカに勝った。お父さんはニュースを見てびっくりしていた。
男子と女子、性の差が徐々に距離を離していった。
6年生になった頃には、私は智裕や裕也と遊ぶことはなくなった。
修学旅行の日、ヨーコちゃんは長年片思いをしていた椋丞と付き合うことになった。私は部屋でそれを聞いて、羨ましかった。
最終日の自由行動の前に、私は久し振りに智裕に話しかけた。私もヨーコちゃんみたいになりたいって、思った。
「智裕はさ、私のことどう思う?」
我ながら直球だったと思う。智裕は最初びっくりしていたが、何十秒か考えて答えてくれた。
「かーちゃんみたいな感じ。高梨って飯作るのうめーし、班長とかよくやってるし、面倒見いいよな。」
私は恋愛対象ではなかった。幼馴染がくっついて恋人になって結婚なんて、本当に漫画だけだと思った。
そういう定番の少女漫画ばかり読んでて少しは期待していたから裏切られらた感が凄くて、私は腐女子になった。
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