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アカマツくんの目標設定①

 気象庁は梅雨入りを発表したのに、カラッカラの夏空が続いていた。  高校球児たちは追い込みをかける時期に突入し、体育館の隅っこで野球部は重要なミーティングが行われる。  体育座りをして話を聞く部員たちの視線の先には、ホワイトボードと険しい表情をする(もり)監督の姿があった。 「えー、県予選まで1ヶ月を切った。来週には対戦カードの組み合わせを決める抽選会もある。2年、3年はわかっているだろうが、本日ベンチ入りメンバーと背番号を発表する。」  森の手には数字の書かれたゼッケンがあった。そして3年生の女子マネージャーの坂口(さかぐち)がホワイトボードに番号を書き出した。 「呼ばれた者はしっかりと返事をして前に出てこい。」  はい!  全員が反応すると、森は早速発表を始める。

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