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アカマツくんの目標設定④

 今日は休養日と言われたが、直倫は河川敷のランニングコースにいた。  ちょっとした公園で充分に柔軟運動をして、Bluetoothのイヤホンを装着し、腕のヘルスメーターを設定するとコースに出て走りだした。時間が時間なのでウォーキングをしている人や普通に自転車を漕いで家路についている人もいた。  耳元で鳴るロック調の音楽に合わせながらも、自分の軽いペースで走る直倫は無心になっていた。3キロほど走った時、向かい側から自転車を漕いだ男子高校生らしき人影が見える。 「あ。」  その高校生が何かに気づいたように声を上げる。その声で無心だった直倫は気がついた。 「裕也(ユウヤ)、先輩……っ!」  直倫は徐々にスピードを落としていく。  自転車に乗っていたのは直倫の片想いの相手。キキーッとブレーキをかけた裕也は直倫を見る。 「赤松じゃん。」 「はい、赤松です。」 「え?まだ5時前だけど、部活じゃねーの?」 「今日は休養日です。」 「じゃあ休めよ!」  気づいたら2人は道を塞いでいて他の利用者にジロジロと見られていた。  その気まずさに気付いた裕也は、「どっか降りようぜ。」と言い、すぐ近くにあった空き地に向かって自転車を漕いだ。直倫はそれに続いて軽く走った。

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