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アカマツくんの目標設定⑥
「キレてないですよ。」
「長州か!」
「何ですかそれ?」
「………なんでもねーよ!」
直倫に伝わらずスベってしまった。
「昔から仲良しなんですね、って思っただけです。」
「………え、嫉妬?」
「はい。」
「やめろキモいぞ。」
裕也は直倫から目を逸らした。逆に直倫が裕也を見つめる。
「なんだよ。」
視線が刺さったと感じた裕也はふて腐れたように喋る。
「裕也先輩、俺今日、6番もらいました。」
「………はぁ⁉︎6番ってスタメンかよ!てゆーか1年でベンチ入り⁉︎」
「1年では俺だけです。」
「え、お前そんなすげーの⁉︎」
「いえ……自分ではそう思いません。」
「いやいやいや……あのヤクザみてぇな実力主義監督に選ばれてんだぞ!去年の腑抜けた部ならまだしも……すげーな赤松。」
裕也は野球経験者で且つ智裕を間近に見ていたこともあり、直倫がどれほど凄いことを背負ったのか理解していた。
だからそれに対して、驚き、感心して、キラキラした羨望の眼差しで直倫を見つめた。
コロコロと表情が変わる裕也が愛らしく思えた直倫は、不意打ちでそのまま唇に「チュッ」とキスをした。
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