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アカマツくんの目標設定⑧
「赤松、俺バカそうなのにちゃんとしたこと言ったんだ、って思ったろ?」
「………はい。」
「否定してくれよ!……はぁ、中学ん時にこの辺でトモの自主練付き合ってたんだよ。そん時にトモの指先のケアとかテーピングとか覚えたんだよ。ショートなんて確実に1塁 に送球しねーといけねー場面が多いんだからさ、指先には気ぃ使えよ。」
「ありがとう、ございます……。」
裕也は両手で直倫の右手を持ち、鑑定士のように隅々を観察しては感心していた。
指の腹や付け根を触り「硬っ!」とか「ここもケアしろよ。」とかリアクションをする。
「先輩、生殺しですよ……これ。」
「へ?」
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