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雨と涙と汗③
「はい、残り15秒でしたー。まーちゃん、タオル臭いって!」
「はぁ…はぁ……今何回目だ?」
「あと1本でセット終わりだぞ。」
「どーじょ!」
汗だくの智裕が息を整えているところ、茉莉は無遠慮に智裕へタオルを差し出す。茉莉の姿に智裕は少し動揺する。
チラリと廊下の方を見れば、拓海が気まずそうな顔をしていた。
「どーじょ!」
「あ……ありがとう、茉莉ちゃん。」
「あーい!」
2人を見て智之の頭の上には「?」が浮かぶようだった。
(あれ?茉莉ちゃんのお父さんとにーちゃん、どうしたんだ?あれ?この2人って……。)
悶々と思い出したら、智之はあのキスシーンが出てきたので、叫びそうになる口を両手で塞いだ。
息を止めていたので、顔は真っ赤になる。
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