235 / 1000

雨と涙と汗③

「はい、残り15秒でしたー。まーちゃん、タオル臭いって!」 「はぁ…はぁ……今何回目だ?」 「あと1本でセット終わりだぞ。」 「どーじょ!」  汗だくの智裕が息を整えているところ、茉莉は無遠慮に智裕へタオルを差し出す。茉莉の姿に智裕は少し動揺する。  チラリと廊下の方を見れば、拓海が気まずそうな顔をしていた。 「どーじょ!」 「あ……ありがとう、茉莉ちゃん。」 「あーい!」  2人を見て智之の頭の上には「?」が浮かぶようだった。 (あれ?茉莉ちゃんのお父さんとにーちゃん、どうしたんだ?あれ?この2人って……。)  悶々と思い出したら、智之はあのキスシーンが出てきたので、叫びそうになる口を両手で塞いだ。  息を止めていたので、顔は真っ赤になる。

ともだちにシェアしよう!