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翻弄されるエガワくん②

「………ダビデ像。」  一起は裕紀の身体を見るのは、去年のクラス対抗競泳の時以来2回目だ。しかしその時と今とは心境が違う。 「ふ、お前…去年も同じこと言ってたぞ。」 「え?……いや、覚えてない…ですけど。」 「他の連中は五●丸だの、ミスターサ●ケだの言うのに混じってダビデ像は破壊力凄かったぞ。」 「変ですか?」  拗ねたように訊ねる一起の隣に裕紀は腰を下ろして、一起の少しだけ細っこい身体を抱き寄せた。 「すっげー可愛い。」  ドクン ドクン ドクン ドクン  こんなに大きく鼓動が鳴るのは初めてだった。  一起はモテないことはない。女子からは「カッコいい。」だの「好きです。」だの言われる機会も多い。「可愛い。」なんてクラスの男子たちの揶揄(からか)い以外で言われたことはなかった。  腹が立つ形容詞のはずなのに、一起は照れるほどに喜びを感じていた。

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