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マツダくんの本音(11)

「俺、ガキだし……ヘタレだし……イケメンでもねーし、バカだし……いいとこなんか1個もないの……わかってるよ……だけど……俺、拓海さんが好きだよ……まだ、好きだよ。」 (智裕くんの、優しい声だ……。) 「迷惑なら…会うのも控えるし……セックスもキスも我慢する……だから……別れるなんて……言わないでくれよぉ……。」  智裕の目からは涙が流れていた。拓海の心臓は苦しさで握り潰される。 「拓海さん……愛してるよ……。」  左手に精一杯の力を入れて、拓海を引き寄せてキスをする。 「なんか……夢にしちゃリアルだな……俺、死んだ?」 「智裕くん…っ!」  拓海は覆い被さり、抱きついて、もう一度、今度は拓海からキスをする。  拓海の目にも涙がこぼれた。 「………た、くみ……さ、ん?」 「ごめんね……智裕くん……智裕くんっ!」 「え……えええええ⁉︎」  智裕は拓海からのキスで意識が戻った。

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