259 / 1000
マツダくんの本音(11)
「俺、ガキだし……ヘタレだし……イケメンでもねーし、バカだし……いいとこなんか1個もないの……わかってるよ……だけど……俺、拓海さんが好きだよ……まだ、好きだよ。」
(智裕くんの、優しい声だ……。)
「迷惑なら…会うのも控えるし……セックスもキスも我慢する……だから……別れるなんて……言わないでくれよぉ……。」
智裕の目からは涙が流れていた。拓海の心臓は苦しさで握り潰される。
「拓海さん……愛してるよ……。」
左手に精一杯の力を入れて、拓海を引き寄せてキスをする。
「なんか……夢にしちゃリアルだな……俺、死んだ?」
「智裕くん…っ!」
拓海は覆い被さり、抱きついて、もう一度、今度は拓海からキスをする。
拓海の目にも涙がこぼれた。
「………た、くみ……さ、ん?」
「ごめんね……智裕くん……智裕くんっ!」
「え……えええええ⁉︎」
智裕は拓海からのキスで意識が戻った。
ともだちにシェアしよう!