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マツダくんの本音(12)
「お前マジで一生寝てろ。」
ゴツッ
「あだあぁぁぁぁぁ!」
「星野 先生、まだ智裕くんは処置中ですので暴力は…。」
「大丈夫ですよ、石蕗先生。サービス残業の憂さ晴らしですから。なぁ、松田。」
「ツワブキさぁん!ほっしゃん怖いよぉ!」
面会時間ギリギリに連絡を受けた星野が病室に訪れた。諸々手続きを終えた松田母も呆れたように智裕を見ていた。
当の智裕は星野の殺気に怯えたのをいいことに、拓海を掴んで引き寄せて抱きしめる。
「先生、馬鹿息子が重ね重ね申し訳ありません。」
「いえ、担任として当然のことですので。お母様も大変でしょう。」
「ええ……馬鹿は死なないと治らないって本当なんですね。」
「もーやだ!ツワブキさん以外みんな優しくない!」
一層強く抱きしめられる拓海は頬が熱くなる。
星野も松田母もいくら認めているとは言え、人前でこんなに密着されるのは戸惑うしかない。
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