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マツダくんの本音(13)
「あ、石蕗さん。茉莉ちゃん、夕飯はお子様ランチ完食したみたいですよ。さっき一旦帰宅したら智之がお馬さんになって元気に遊んでたわ。」
「何から何まですいません……。」
「いいのよぉー。茉莉ちゃんは我が家の癒しだから大歓迎よ。いっそのことそこの馬鹿と交換しない?」
「あ、それいいかも。俺ツワブキさんチの子になるわ。」
「智裕くん!もー……離してくれないかな?」
「やだ。ツワブキさんにもっと優しくされたい。」
駄々っ子のように拗ねた声で拓海を離さず甘えてくる。
拓海は困った顔をしていたが、本当はとても嬉しかった。
ビシッ、と鋭い音を立てて智裕にチョップをしたのは松田母だった。
「石蕗さんに散々ご迷惑をかけているんだからこれ以上困らせないの!」
「うるせーなー、いいじゃんかよぉ、病人なんだからさぁ。」
「いいからとっとと寝なさい!」
松田母によって拓海はやっと解放された。
「じゃ、明後日はサボり厳禁な。明日退院したらクラスのグループチャットに謝罪文飛ばしとけよ。」
星野は松田母と拓海に挨拶をすると病室をあとにした。
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