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オオタケくんの変化①
「裕也 先輩、なんでこんなの分からないんですか?」
「お前は1年なのに何で分かるんだよ。」
一方、2年5組の教室で5限目に提出しなければならない古典のプリントと格闘している裕也の向かいに直倫 が座っていた。
「古文なんて基本的なこと押さえればあとは応用ですよ。」
「知るか!大体俺漫画しか読まねーし!」
2年の裕也が1年の直倫に教わるという逆転現象が起こっていた。
「お前赤松 に教えてもらってんの?プップー、傑作だな。」
「松田、お前他人 のこと言える立場じゃねーんだよ。」
近くの席の智裕 は野村 と清田 に監視されて、裕也と全く同じプリントの空欄を埋めていた。
「赤点取ったら決勝の日に補習とかシャレになんねーんだからな。」
「松田くんがバカなのは知ってたけど、さすがにシャレにならないよ。去年はアレだったからいいけど今年は森監督だからね、学業優先だよ。」
「わーってるよ!つーか赤松は1年なのに何でわかるんだよ!」
「それさっき俺が言った。」
「文武両道ですよ。それに俺、去年の夏までは聖斎 学園に行くつもりでしたし。」
「聖斎ぃ⁉︎」
智裕以外の3人は思わず直倫を見て驚いた。
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