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オオタケくんの変化②
「聖斎ってどこ?」
「トモ、お前知らねーのかよ!この県で1番の甲子園常連校だよ!小田原の山ん中にあるセレブ高校!」
「あ、去年の準決勝で当たったとこか。」
「しかも聖斎ってどの部活でも生徒が偏差値も高くてまさに文武両道だよ。馬鹿じゃ入れないから。」
「あー…そういや聖斎の今年のエースって確か…。」
清田は智裕の頭を叩く用に持ってきていた「週間 野球マガジン 甲子園直前特別号」をパラパラと開く。
「あー、やっぱそうだ。3年、右投げ右打ちの赤松 直能 ……赤松?」
「はい、俺の兄です。」
3人は一斉に驚いた。智裕は机の上に置かれたページを見る。
「てゆーか赤松と双子みてぇだな、イケメンで……最高155km/hぉ⁉︎」
「兄はストレートが武器です。普通に140km/h近く出ますよ。」
知りたくなかった敵情報を聞くと、智裕は清田にすがりついた。
「清田ぁ…頼むぞ。俺応援してるからぁ。」
「何言ってんだよ、聖斎と当たったらお前100% 先発だからな。」
「こんなの打てるわけねーだろ!高校野球も国際基準でDH制度にしろよなぁぁぁぁぁ!エースで4番とか漫画だけなんだよ!」
智裕はバッティングが大の苦手だった。左打ちになって少しはまともにはなったが、バッティングセンターに行っても裕也に劣る時さえある。
本当に投球技術だけでエースナンバーを背負っている。
「松田くんには1番で出塁した赤松くんを犠打 で進塁させることだけしか期待してないから安心してね。」
「カッちゃん、追い詰めるねぇ……。」
智裕は野村の言葉がトドメになり机に伏せて撃沈してしまった。
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