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オオタケくんの変化④
清田は呆れたようにため息を吐いた。
「江川、ほっしゃんにバカどものこと頼まれたって感じだろ?」
「あぁ……俺もテスト期間はバイト休みだし引き受けたよ。」
「じゃああとは頼んだぜ。俺じゃ手に負えん。」
そう清田は匙を投げるとムカついたので松田の後頭部に1発入れて教室を出て行った。
「松田、俺は先生に頼まれたからな。徹底的に全教科赤点回避。今日から覚悟しとけよ。赤点取ったらマジで殺す。」
「わかってるわかってるわかってるからぁあああ!勘弁してよ江川っちー!」
必死になって空欄を埋めていく智裕は、残り1問になって安堵した。
するともう1人の問題児こと宮西 が一起の隣にやってきた。
「………江川、首、なんか鬱血してる。」
「は?」
「ほら、此処……。」
宮西は一起の髪を少し上げて耳の後ろくらいの場所を触った。
「あ、キスマークだ。出来立てホヤホヤ。」
宮西はわざと周りに聞こえる音量で淡々と言い放った。
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