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夏が始まる⑦

「拓海さん?」 「智裕くんのことをカッコいいって思うのは俺だけなら、智裕くんのこと独り占め出来るかも……なんちゃってね。」 「………拓海さん、こっち向いて。」  智裕は嬉しくて、自分の方を向いた拓海に身を乗り出して触れるだけのキスをした。  不意打ちのキスに、拓海は嬉しさと恥ずかしさで顔が赤くなる。 「今日はこれで我慢する…。」 「うん……。」 「県予選終わったら…いっぱいイチャイチャしような。」 「うん。」 「拓海さん、俺は拓海さんが大好きだよ。」 「俺も、智裕くんが大好きだよ。」  見つめ合うともう一度、触れるだけのキスをする。  智裕の「俺の拓海パワー」はこんな些細なキスで満たされていった。
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